姫☆組 ２nd （姫シリーズVol．2） 【完】

新しい年

妄想記事から、数ヶ月が過ぎ、裁判は出版社側からの和解案の条件の交渉中に入っていた

龍馬は、年末に向け悔いのないように、今まで以上に仕事に取り組んでいた

姫花は、薬がなくても眠れるようになり、落ちた体重も以前と同様とまではいかないが、戻りつつあり、仕事もこなしていた

そして、今日は、以前潤也と賢次、りんが出演し、シリーズ化したヤンキーものが最終章として映画になり、それに姫花と咲も出演することになり、その打ち合わせに来ていた

ヤンキーものという事で、とにかく同年代の役者の数が半端ないうえ、控え室に関して、一人一部屋なんて無理な話だった

主役の潤也と賢次でさえ、ふたりで一部屋だったのだから・・

そして、その部屋に入り浸るりん、咲、姫花の三人娘

「な～　お前等他の役者と打ち合わせあるんじゃねぇの？」

さっきから、三人娘は潤也と賢次がいないかのように三人でガールズトークに夢中だ

そう、夢中なので、聞こえない

「・・・潤也、無理だよ・・　諦めなって」

と賢次は、i-podを耳につけ、読みかけの文庫本を手に取った

自分の世界に入るつもりだ

「・・・・・」

しかし・・三人娘のセーラー服の丈が異様に短い・・

姫花に対して、思いっきり意識している潤也だが、今回の現場はヤンキーもの・・野郎が圧倒的に多いのだ・・

もう異性とかを通り越し、咲とりんに対しても、父親のような感覚でヒヤヒヤしている潤也に対し、そんな潤也に気づき、笑っているだけの賢次

無事に撮影を撮り終える事が出来るのか、不安で仕方なかった