姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
長いフライトの末、空港に降り立った姫花とガクを迎えたのは、潤也だった

ちょうど仕事で滞在していたのだ

ガクに支えられるようにゲートから出てきた姫花に潤也は顔をしかめた

「がっくん・・・・」

姫花に声をかけられない潤也はガクに視線をむけた

「・・悪いな・・・」

ガクも言葉少なだ

潤也はそんなふたりを見て、だまってパーキングに止めてあった車に二人を案内する

「疲れているとは思うけど、このまま向かうから」

と潤也はアクセルを踏み込み、車を発進させた

そのまま車内では誰も口を開くことなく、しばらく走っていた車は静かに停まった

着いた場所は、今回の事故に巻き込まれた被害者が治療を受けている病院だ

三人は、車を降り、院内へ入る

廊下まであふれた人たち

トラックに突っ込まれ、脱線、横転した今回の事故

脱線、横転での事故もひどかったが、化学薬品を浴びた人は皮膚が溶け、思わず目を伏せてしまうほどだった

貼り出された名簿に目を通すものの、日向の名前は無い

もしかしたら、日向は乗っていなかったのかもしれない・・という希望を抱きながら、また別の病院へ向かう

そうして、その日は過ぎていき、ガクと姫花は潤也の用意したホテルに戻ってきた

姫花は、部屋に着くなり、コートも脱がず、倒れるようにベットに横になり、眠ってしまった

ガクはそんな姫花のコートとブーツをそっと脱がせ、布団をかけ、部屋の電気を消した






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