姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
その後、潤也が部屋にやってきて、姫花とガクに着替えを渡した

なにしろ、身一つで飛行機に飛び乗ったので、姫花は制服のままだったのだから・・

朝食は、ルームサービスを頼んだ

ガクは、姫花に何か口にして欲しくて、トースト・ワッフル・パンケーキ・おにぎり・卵・スープなどとにかく頼んだ

しかし、姫花は着替えると、そのままテラスに出て行き、ボーっと外を眺めているだけだ

「姫花・・ 何か口にしてくれよ・・・」

ガクは姫花の背中に向かって話す

しかし、姫花は何の反応もしない

潤也はそんな姫花とガクを見ているのが辛かった

それでも、いつまでも部屋にいるわけにはいかないので、三人は再び、車に乗り込んだ

遺体安置所は悲しみに包まれていた

自分も怪我をして、包帯でグルグル巻きなのにもかかわらず、遺体にかかっているシーツをめくり、探している人

変わり果てた家族の姿に泣き崩れる人、ショックで気を失ってしまう人も少なくなかった

ガクと潤也はその光景に思わず息をのんだ

昨日の病院でみた惨劇とは比べ物にならない程、ここに横たわっている人は酷い状態で、人相がわからないほどだった

それでも、ガクと潤也は、身元がわかっていない遺体を端から確認して行った

姫花はふたりの後にはついていかず、入り口でボーっとその光景を目にうつしているだけだった

全ての遺体を確認したが、日向らしき人物は確認できず、ガクと潤也は安堵しつつ姫花の元へ戻ってきた








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