姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
反応のない姫花に話しかけるのはいつもの事だった

それでも、潤也は話すのをやめようとはせず、姫花の手にグラスを握らせようとする

いつも、手に力が入らず、結局は潤也が姫花の口にストローを挿すのだ

潤也は、必死だった

その時、姫花の瞳から涙が一粒こぼれて、潤也の手に落ちた

驚いた潤也は、姫花の顔を見た

相変わらず、無表情だった

それでも、初めてだった・・

たった一粒の涙だったけど、潤也にとっては大きなものだった

姫花が反応をしてくれた

それだけで、潤也の肩は震えていた

「あ~姫~ 俺を泣かせるなよ~ あ~超ダッセー」

潤也はそういいながら、しばらく泣き続けた

その涙は、姫花から潤也へのクリスマスプレゼントだったのかもしれない

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