姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
「お客様・・申し訳ありませんが、オーダーメイドは承っておりませんので・・」と店員は苦笑いで姫花を見た

「オーダーメイドじゃないわよ だって、ただ付け替えてってお願いしているだけよ」とサラッと答える姫花

確かに・・オーダーメイドではない・・

しばらく店員と姫花の平行線の話が続いており、側にいたりんと咲は一度言い出したら聞かない姫花の性格を承知していたので、側にあったテーブルに座り、そのやり取りを傍観していた

「何事だ?」

そこへスーツを纏い、後ろで髪を一つに結わえた褐色の男性がやって来た

「はぁ・・・・」困り果てている店員は、おおまかにその男性に事の経緯を説明した

すると、その男性が、姫花の前までやって来た

「お客様、大変申し訳ございませんでした。 御希望通り、対処させていただきます。ですが、少々お時間が掛かってしまいますが、こちらにはいつまで御滞在される御予定ですか?」

恭しく、頭を下げる男性に「やってくれるんですね! ありがとうございます。私と、そこのふたりの分も欲しいので、3本お願いします。ここには明後日まで滞在予定ですが、間に合いますか?」と姫花も一気に上機嫌

「はい。間に合わせます。 差し支えなければ、お部屋番号をお教えくださいますか?」

「え?・・・」

いくら、ホテルに入っているお店の人だろうと、簡単に部屋番号を教えるほど姫花もバカではない

「あぁ・・ 申し訳ございません。 では、明後日にこちらへいらしていただけますか?」

「わかりました。 楽しみにしています」

「これ、私の名刺です。 何かございましたら、連絡をください」

姫花は褐色の男性から名刺を受け取り、りんと咲を店を後にした

褐色の男性は、三人の姿をエレベーターに消えるまで追っていた


「35階・・ 特別室か・・・」

エレベーターが止まった階もしっかり把握し、その場を後にした

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