姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
ガクとの電話を切った龍馬は、姫花を見掛けた場所に戻ったが居るわけもなく、その時の事を思い返していた

今日の昼、龍馬は繁華街の見回りをしていた

夜だけでなく、昼間の様子も把握しておきたいのは、完ぺき主義の性分だった

車内で、フッと目に止まり、振り返った龍馬に気がついた運転手が

「若が振り返ってみるなんて珍しいっすね~ でも、さっきの女は上玉でしたね~ でも、いいの連れてますわ~」

とバックミラーで様子を伺いながら言ってくる

龍馬は、運転手を一蹴し、目を閉じた

その日の夜、なぜか気になった龍馬は、姫花に電話を掛けた

すぐに留守電に切り替わったのだが、これは別に珍しいことではない

それでも、胸騒ぎを感じた龍馬はガクに連絡を入れたのだった

龍馬は、もう一度、思い返してみる

何かが引っかかる・・・

『若が振り返ってみるなんて珍しいっすね~ でも、さっきの女は上玉でしたね~ でも、いいの連れてますわ~』

って言っていたな・・

ん・・・・・

『いいの連れてますわ~』

これはどういう意味だ!?

龍馬は、昼間の運転手に連絡をいれた

「若~ 今夜の相手探してるんでしたら、俺の女連れて行きますけど~」

暢気で的外れな返答が帰ってくる

「・・・・・・・」

電話越しにも、龍馬の無言の威圧感が伝わったのか

「すんません・・ 昼間の女は一人じゃなかったっすよ? 気がつきませんでしたか? 両脇に若い男つれていたじゃないですか! それも、高そうなスーツ着た嫌味な感じの・・」

ガチャ・・

そこまで聞いただけで、龍馬は電話を切った
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