姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
事実、龍馬が見かけたのは姫花本人だった

成田空港で、ガクに連絡を入れ、出国手続きをしようとしていた所で、思いもよらない人物が現れたのだ

ジフンだった

妄想記事に裁判、そして日向の事故死・・・

姫花をもう一度自分の側に置いておきたくて戻ってきたのに、周囲に流され、結局何も出来ないまま卒業してしまったのだ

ここで、賢次の元に行ってしまったら、手遅れになるような気がしていたジフンは、強硬手段にでたのだ

「何しているの?」

姫花にとっては、初めての彼氏であり、自分の初めてを全て捧げた男だ

ジフンを愛する気持ちはなくなっても、嫌いなわけではない

「姫花、どうせ留学するなら俺のところにおいでよ?」

ジフンは姫花をベンチに誘導し、座らせた

「韓国に?」

ジフンの突然の申し出に戸惑いを隠せない姫花

「そうだよ? 日本まで片道2時間だし、戻りたくなったら、いつでも戻れるよ? 俺もいるし、龍馬だっているし、寂しくないよ?」

ジフンは姫花の手を両手で包み込みながら、優しく囁く

「でも、賢次が待ってるし・・・」

と姫花はそっとジフンから自分の手を抜き取る

「アメリカに行きたくて行くわけじゃないだろ? がっくんに言われたから行くんだろ?だったら、場所はどこでもいいよね?」

ジフンのいう事はもっともだった

アメリカへの留学は自分から望んだ話じゃないのだから・・・

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