姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
「ヒメ・・ 俺さぁ・・ ヒメを手放したことすっげ~後悔した っていうか、今もしてる こうやって同じ屋根の下で暮らして、隣に座って・・ こうしてヒメの手を握ってもヒメはもう別のところで生きている・・」

ジフンは姫花の手を握り、姫花の目を見つめる

「・・・・・・」

「俺って、往生際悪いみたいでさ 諦めきれねぇの・・ 賢次や潤也の事“ヘタレ”とか言っておきながら、自分が一番ヘタレでダセェ男なんだよな・・」

いつも自信に満ち溢れているジフンからでる言葉とは思えず、姫花は驚いていた

「でもさ、もう潮時・・ 多分、明日がっくんが迎えに来る・・ 荷物まとめておいて・・ 見送ってやれないけど・・ 」

ジフンの握る手がギュッと強くなり、姫花は思わず手に視線を落とした

ポトッ・・ 姫花の手に落ちる雫

「ジフン?」


「わりぃ・・ もう行くわ・・ じゃあな・・」

ガチャ・・ 

バタンッ

ジフンは顔をあげることなく、足早に姫花の部屋を出て行った

「・・・・・」

姫花は、なんともいえない表情でジフンが出て行ったドアをしばらく見つめていた

最初に来た時は、パスポートや財布などが入ったバックひとつだった姫花の荷物もジフンにより買い与えられたたくさんの衣類や小物、アクセサリーで溢れていた

それらを持っていくつもりのなかった姫花はジフンが出て行って、1時間もしないうちに、自ら部屋を後にした

KとJを含む警備数名は、姫花の行動をモニターで把握していたが、あえて引き止めることはせず、そのまま姫花を追う事もしなかった

彼らにとって、姫花に振り回されいようにしか見えない自分の主人ジフンから離れてくれることは喜ばしいことだったのだ
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