姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
心の整理
姫花は、目的のない旅を続けていた
姫花のクレジットカードの使用記録で、ガクはすぐに滞在先を特定したが、あえて行動は起こさなかった
それを知ってか、姫花はメキシコからガクに手紙を書いた
郵便事情の悪い国で、届かないことも少なくないと聞き、“運”に任せて葉書を1枚出した
【お元気ですか?】
たったそれだけの手紙
差出人も書かずに、投函した
1ヵ月後、震える手でガクはそれを受け取っていた
薄い消印を見て、ここにたどり着くのにどれほど時間がかかったか悟った
そうしているうちに1年はあっという間に過ぎていく
この一年、姫花はしらなかった世界を目にしてきた
もともと媒体に目を向けていなかったのもあるが、貧富の差、環境破壊など聞いて知っていても、実際目にすると、ショックだった
子どもを亡くして、泣き崩れる母親の姿を目にした
姫花は翌日、その母親が何事もなかったかのように、大きな水がめを頭に担いで歩く姿を目にした
彼女の左手には小さな子どもの手が握られており、母親に置いていかれぬよう、チョコチョコと必死についていく
悲しみに浸っている時間さえないのだ
姫花はこの旅に終わりがきたのだと、なんとなく感じた
日本に帰り、アニキに頭を下げよう
日向とお別れした海岸にもう一度行こう
りんと咲とAQUAへ行こう
咲が来るなら、大吾もついてくるかな?
あ~ 龍馬にもお礼を言わなきゃ・・
賢次の仕事はどうかな?
そういえば、潤也は今のあの部屋にいるのかな?
姫花のクレジットカードの使用記録で、ガクはすぐに滞在先を特定したが、あえて行動は起こさなかった
それを知ってか、姫花はメキシコからガクに手紙を書いた
郵便事情の悪い国で、届かないことも少なくないと聞き、“運”に任せて葉書を1枚出した
【お元気ですか?】
たったそれだけの手紙
差出人も書かずに、投函した
1ヵ月後、震える手でガクはそれを受け取っていた
薄い消印を見て、ここにたどり着くのにどれほど時間がかかったか悟った
そうしているうちに1年はあっという間に過ぎていく
この一年、姫花はしらなかった世界を目にしてきた
もともと媒体に目を向けていなかったのもあるが、貧富の差、環境破壊など聞いて知っていても、実際目にすると、ショックだった
子どもを亡くして、泣き崩れる母親の姿を目にした
姫花は翌日、その母親が何事もなかったかのように、大きな水がめを頭に担いで歩く姿を目にした
彼女の左手には小さな子どもの手が握られており、母親に置いていかれぬよう、チョコチョコと必死についていく
悲しみに浸っている時間さえないのだ
姫花はこの旅に終わりがきたのだと、なんとなく感じた
日本に帰り、アニキに頭を下げよう
日向とお別れした海岸にもう一度行こう
りんと咲とAQUAへ行こう
咲が来るなら、大吾もついてくるかな?
あ~ 龍馬にもお礼を言わなきゃ・・
賢次の仕事はどうかな?
そういえば、潤也は今のあの部屋にいるのかな?