姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
潤也だ・・

引っ越していなかったんだ・・

って・・・ 

そうじゃなくって・・・

タイミング最悪じゃん・・

姫花は、ドアの前に立つ女性が室内を振り返ったと同じタイミングで、走り出していた

薄暗い階段を駆け下り、振り返ることもせず、その場から去った姫花

潤也は、コーヒーカップを片手にそんな姫花の姿を部屋の窓から見ていたのだった

乱れる呼吸を整えた姫花は、途中で大きな花束を買い、事故現場に足を向けた

多くの犠牲者を出したあの事故現場は、今もたくさんもメッセージと花で溢れかえっている

日向の好きなバラをそっと供え、無言でその場にしゃがみこむ姫花

頭の中は、意外にもさっきの光景でいっぱいだった

潤也と友達になってから、女のウワサ話すら聞かなかったから全く気にしていなかった・・・

潤也と友達になったのと、同時にジフンと付き合いだした

別れてからは、しばらく恋愛はお休み宣言をみんなの前でしたっけ・・

そして、日向に出会い、自然に惹かれあった

その間、ずっと側にいてくれたけど、異性という対象で見ていなかった

それは、龍馬も大吾も賢次もしかり・・

もし、そういう対象であったなら、ジフンに裏切られた時、側にいられなかったと思うし、日向の事もそう・・

心のなかには、ヒナしかいないのに、そんなこと考える余裕なんてない・・

でも、なんでさっきズキンッでしたんだろう・・

心臓が飛び跳ねたんだろう・・





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