姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
加速する景色

動揺

「ヒメカさん、UPで~す!!」

スタジオに響くスタッフの声

「ありがとうございましたぁ!!」

最初こそ、“失踪!?サラブレットモデルが復活!”“ワガママお姫様モデル・姫花”など叩かれたが、当の本人は、外野の野次はどこ吹く風・・

ひとつ、ひとつの仕事に真剣に向き合っていくうちに、たちまち人気モデルの座に返り咲いた姫花

もちろん、まわりのモデルのなかには“コネ”だとか“体で仕事をとってる”だとか色々いう者もいたが、一切動揺を見せることなく、常に堂々とした姫花だった

それは、現実から逃げだした自分を支えてくれている存在に気づく事ができたからで、今日の自分がいるのも“みんなのおかげ”そう思うようになったら、自然と感謝の気持ちになれたのだ

そんな姫花を慕う後輩もでてきて、ウェイティングルームでも姫花の周りにはいつも誰かがいた

「姫花さん、コレ!読みました?」

いつも姫花の後をついて来る後輩のチエことチェリー

「どれ?」

姫花はチェリーの持っている雑誌を覗き込んだ

「・・・・・・」

「ジュンですよ! ジュン!! パリコレで3つもブランド掛け持ちだったって! それに隣にいるこの金髪の女って、ジュンの彼女って書いてありますよ~ この写真なんか、腕組んで、超ラブラブって感じですもんね~」

チェリーが持っていたのは、ファッション誌ではなく、ゴシップ誌

「・・・チェリー・・ 高校生なんだから、こんなの買うのやめなって・・ ホラ、こっちでも読んで、勉強、勉強!!」

と姫花はチェリーの手に、イタリアのファッション誌を持たせた


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