姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
「え? あれ?」

状況が把握できていない姫花は慌てて、体を起こした

下におちたブランケットを拾いながら、潤也は立ち上がり、カウンターへ歩いていく

「えっと~ なんでココにいるの?」

考えても思い出せない姫花は、申し訳なさそうに潤也に視線を送る

「・・・・偶然会ったんだよ・・ プリンス・ホテルのBarで・・ アリと飲んでいたんだろ?」

カウンターの中から水を持ってきた潤也は、姫花に手渡すと隣に腰を下ろした

「え? ごめん・・ アリと? なんで?」

姫花の記憶にアリと飲んでいたという場面が浮かんでこない

「は? 飲んでつぶれて、アリがここまで運んできたんだろ?」

「よくわからないけど、その状況のどこで潤也が登場した・・の・・かな?」

遠慮がちに姫花は潤也を見る

「・・・・俺の事はいいよ・・ それより、よく行くのかよ? あそこ」

潤也は姫花から視線をそらし、姫花に渡した水を自分で飲みだした

「あそこって?」

「あのBarだよ!」

「あ~ たまにね・・ 随分前に、アリに教えてもらってから気に入っちゃって・・ 変に声掛けてくる人もいないし、視線も感じないから・・」

「・・・・・・かよ・・・」

「え? ごめん・・何?」

「アリと行くのかよ?」

「アリと? AQUA以外でアリに会った事は一度もないけど~ でも、さっきまで一緒だったのよね? 全然記憶にないわ・・・」

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