姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
しばらくすると、危なげにレンが大きなグラスに並々とレモネードをついでやってきた

「どうぞ・・・」

それぞれに配り、自分も抱えるように持ち飲み始める

その様子を、愛おしそうに見つめる姫花

そんな姫花を見る潤也とりん

「姫花・・・聞いてもいい?」

りんが遠慮がちに口を開いた

「駄目っていう選択肢はないんでしょ? 」

苦笑いをしながら姫花はふたりに顔を向けた

「ずっと、ここにいたの?」

「うううん この島に来たのは2年くらい前かな?」

「その前は、どこにいたの?」

「シアトルにいた・・ 5年日本を経って行ったのは、この写真の場所・・」

と姫花はテーブルに置かれていた写真を手に取る

「みんなで行った場所をもう一度まわったわ・・ そのあとはシアトルに行った・・ そして2年前にここに移ったの」

「どうして? いなくなったの?」

さっきから質問しているのはりんだけ

姫花はチラッと潤也を見るが、視線は合わない

「そうしなきゃならなかったから」

りんの目をまっすぐに見て姫花は答えた

「・・それは・・なんで?」

「・・・・・・・」

答えない姫花

「・・坊主、お前年は?」

急に口を開いたのは潤也だった

「ジュンヤ~ レンだって言っただろ? 坊主じゃないんだけど?」

そういいながらも、話に入れたレンは嬉しそうだ

「悪い、悪い・・ レンはいくつだ?」

「もうすぐ5歳!」

レンは誇らしげに答えた


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