姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
7人は、しばらくして関係者通路をとおり、特別室へ入った

予定では、一般客に混じって、アリーナでライブの臨場感も堪能するよていだったのだが、先ほどの騒動で、そういうわけにはいかなくなってしまったのだ

日向以外は、KINGのライブにはもう何度も来ていたのだが、ワイヤーで宙釣りになってソロを歌った龍馬には度肝を抜かれ、コテコテのラブソングをあきらかに、咲を見て歌っている大吾には、みんな呆れ顔だった

ライブも終盤になり、MCで

「今日のライブの前に会場の前で、騒動があったのを知っている人もいると思います・・」と話し出した

龍馬の声は、ステージ左右に設置されている巨大スクリーンに、龍馬のアップの表情と共に、瞬時にタイ語訳され、載せられていく

「彼らは、俺と大吾の友達です」

そこで、大吾も少し間を空け、龍馬の横に並んだ

「それは、【姫★組】を買って、見てくれたらわかると思う KINGの一員としてではなく、素の俺と大吾の時間を切り取ったものだから・・芸能界に限らず、世の中には色んな駆け引きがあるけれど、損得なしに、当たり前のように学校に行けば会える友達との時間は、これから先の人生でかけがえのないものになっていくと思うんだ。 特に俺たちは、仕事をしているから、毎日、朝から放課後まで学校に居れることは少ないから、余計にそう思う 今日の騒動に悪気があったとかは思わないけど、それでも、ボロボロになって目の前に現れた時には、正直、今回のツアーの意味を考えさせられたんだ」

そこで、龍馬が大吾に視線を移した

「それでも、海の向こうから、いつも応援してくれている君達には感謝しきれないと思っているよ こうやって、同じ空気と時間を共有している君達もとっても大切」と大吾が話すと、会場から「キャー」と歓声が上がる 

歓声が収まると 「俺等の大切なダチ共の事も、見守ってほしいんだ ヤツラも相当なツワモノ共だから、ぜって~飽きねぇから!」と大吾が言うと、会場内は、拍手に包まれた

そして、二人はアリーナ、スタンドに手を挙げ、ファンに答えた


と、同時に曲のイントロがかかり出し、残りの三人のメンバーが出てきて、大吾、龍馬とハイタッチをし、そのままライブは、最後まで止まることなく、大盛り上がりで幕を下ろした 

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