姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
姫花はそのまま日向の隣に行き、日向が取ってくれたロブスターや、貝に箸をつけた

「ここまで来てもレッドアイ?」と龍馬が姫花のグラスを指差した

「ただのトマトジュース」と姫花

「飲まないの?」と日向はバーカウンターに目をやる

そう、このレストラン自慢のバーには、世界各国のリキュールやアルコールの瓶がぎっしり・・

「ワインの品揃えもなかなかだよ?」と賢次もやって来た

「そうなんだけど、明日撮影だから、あんまり水分取りすぎて浮腫みたいのよ・・だから、りんも咲ちゃんも果汁か水しか飲んでないし・・」と苦笑いの姫花

「へ~ 姫花もそんな事考えるんだ?」と龍馬は驚きの表情

「どういう意味よ・・ そりゃあ、自分から名乗りを挙げて再開したわけじゃないけど、やるからには、誰にも負けたくないじゃないの」と姫花

誰もが振り返ってみてしまうほどの容姿を持って生まれた姫花だったが、なんの努力もしなかったわけではない

暴飲、暴食は絶対にしないし、時計の針が20時をまわったら、水以外は口にしないし(パーティーとか打ち上げとかの集まりの時は、流石にそうもいかないけど・・)洗顔には、化粧に掛かる時間の倍は費やす・・

バスタイムは、好きな音楽を流し、お気に入りのバスオイルに包まれ、ゆったりと過ごす・・

姫花の癒しの時間だった

日向もソレを知っているから、こうやってバカンスに来た時くらいしか一緒にお風呂に入ろうとしないのだ

「姫花って、食べたらすぐ体につくタイプだモンな」と賢次がニヤッと笑った

賢次のその発言に日向が反応した

「姫とは、幼なじみだっけ? 」

「ええ・・ 物心ついた頃には一緒に風呂にはいってましたけど?」と賢次

「・・・・・だから、”食べたらすぐに体につくタイプ”なんてわかるんだ? 幼児体型だった頃から、そういうのあるんだね? それとも、今でも、姫のこと観察してるとか?」と日向

「ッ・・・・」

流石に賢次の口も止まった





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