姫☆組 2nd (姫シリーズVol.2) 【完】
「終わり方がね・・」と大吾は相変わらず歯切れが悪い

「姫花って華やかな感じだけど、実際はそうでもなくて、恋愛より友情みたいな感じでしょ?」とりんが話し始めた

黙ってうなずく咲

「そんな姫花が自分から求めたのが、さっきのジフン・・・ 韓国とかさ、歴史認識で日本人の事嫌いな人結構いるでしょ? ジフンの両親、家族もそうでさ、姫花への対応とか酷かったの・・ ジフンも最初は姫花を軽い奴くらいにしか見てなかったようだけど、いつの頃からか、ジフンも姫花に惹かれだしてね・・ それからは、何するのも一緒 私達の存在は後回し・・・」

りんがそこまで話したところで、咲は思わず 「え!」と声を出してしまった

「信じらんねぇだろ?」と苦笑いの大吾

「あの時の姫花にとってジフンが全て・・ 女の子の初めてを全部持ってったのもジフン・・ 姫花はすごく幸せそうだった・・でも、やってくれたわ・・ 韓国に親同士が決めた許婚がいたの ジフンの幼なじみの女の子、あいつの初恋の女の子 それを知ったあいつは、彼女と過ごすために韓国へ行ったわ」りんはそこで大きなため息をついた

咲は、言葉が出なかった

「それからの姫花は見ていられなかった・・ あいつと付き合ったのは中2の半年間だけだったけど、立ち直るのに1年はかかったかな・・ そのおかげで『普通の女子高生になる』なんて言って普通科受験したのよ・・ でも、その受験があったおかげで、余計な事考えなくて済んだのかもね・・ 」と話したりんの目は寂しそうだった

それまで黙っていた潤也が口を開いた

「俺にとっての一番はいつもソナだから」

潤也のその言葉に、眉をひそめる一同


< 61 / 223 >

この作品をシェア

pagetop