オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「オトコが頑丈に出来てんのはオンナを守るためだ。そんで傷ついたオトコを優しく抱きしめられるように、神様がオンナはやわらかく創ったんだよ」

「ダサ~…」

「なんとでも言え。なあ、あんた!」


藤堂さんは、あぐらを組みなおして片膝を立てると、そのうえに肘をかけ、顎を乗せた。

ぶらりとたれた手首に、ごつい十字架を何個もつなげたシルバーのブレスレッドが鈍く光ってる。

まるで値踏みをするように、じっと私を見据えると、


「ユリはこ~ゆう性格だからよ、困ってるオンナに弱いんだ」


そう、厳しい表情を崩さず言った。

「ユリが危ない目に合いそうになれば、俺が守る」


籐堂さんは、私に馬乗りになったままのお姉さまの手をとると、


グイッ!


一気に自分のもとへ引き寄せた。


両手両足で、抑え込むようにお姉さまを絡め、抱きしめる。


「やだっ!放して!籐堂!!」

「けど、あんたを守るのはユリじゃねぇ」


私は黙って頷いた。


「俺でもねぇ」

「…はい」


その通りだ。

始めてあった日、お姉さまがチャラ男に見事なパンチをかましたことを思い出す。

藤堂さんは心配してるんだ。

無鉄砲で優しい彼女のことを。

そう思ったら、なんだかうれしくなっちゃって……

つい微笑んだら、


――しまった……


藤堂さんの眉間にしわが増えた。

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