オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
あいつのこと、なんも知らなくても、好きだ。
好きに……なってた。
舞い上がって……
花美のこと知るより前に、自分のものにすることで頭の中がいっぱいになってて……
――……気づいたらこのあり様だ。
「マジでねぇよ…。ほとんど、ひとめ惚れみたいなもんだから…」
思わず出た本音に、自分で言ってて情けなくなる。
気まずさに、うつむいて目を閉じるけど、それで浮かんでくるのは、花美の笑顔ばっかりだ。
どうしようもなくて、もう一度目をあけ、目の前の現実に向き合う。
ダメもとで考えてみる。
あいつは、なんでいなくなったんだろう……って。
その時、
「…っ佐々っ!!」
成久の声に我に返ると、軽い金属音が闇夜に響く。
ガランッ…ガンッ!!…
ガラン!!
チャンスだとでも思ったのか、性懲りも無くオトコが殴りかかってきた。
そのくせ、オレがよけただけで、そいつは勝手にバランスを崩し、どっかの店のトタンにぶつかって倒れ込む。
「懲りねえヤローだなぁああっ!!」
ドカッ!!
踏み潰すように蹴りを入れる。
「考え事してんだよ!静かにしてろっ!!」
すると視界の隅に、目が覚めてたんだろう、伸びてたはずの2人のオトコも、殴られた痕をさすりながら、いまだにブツブツと文句言ってやがる。
――つくづく……、花美がこいつらに捕まんなくてよかった。
そう思った。
どうなってたかなんて、考えたくもない。
あいつの逃げ足の速さだけは、褒めてやる。
ふと……
――こうやっていつも、逃げてきたんだろ。
そんな気がした。
好きに……なってた。
舞い上がって……
花美のこと知るより前に、自分のものにすることで頭の中がいっぱいになってて……
――……気づいたらこのあり様だ。
「マジでねぇよ…。ほとんど、ひとめ惚れみたいなもんだから…」
思わず出た本音に、自分で言ってて情けなくなる。
気まずさに、うつむいて目を閉じるけど、それで浮かんでくるのは、花美の笑顔ばっかりだ。
どうしようもなくて、もう一度目をあけ、目の前の現実に向き合う。
ダメもとで考えてみる。
あいつは、なんでいなくなったんだろう……って。
その時、
「…っ佐々っ!!」
成久の声に我に返ると、軽い金属音が闇夜に響く。
ガランッ…ガンッ!!…
ガラン!!
チャンスだとでも思ったのか、性懲りも無くオトコが殴りかかってきた。
そのくせ、オレがよけただけで、そいつは勝手にバランスを崩し、どっかの店のトタンにぶつかって倒れ込む。
「懲りねえヤローだなぁああっ!!」
ドカッ!!
踏み潰すように蹴りを入れる。
「考え事してんだよ!静かにしてろっ!!」
すると視界の隅に、目が覚めてたんだろう、伸びてたはずの2人のオトコも、殴られた痕をさすりながら、いまだにブツブツと文句言ってやがる。
――つくづく……、花美がこいつらに捕まんなくてよかった。
そう思った。
どうなってたかなんて、考えたくもない。
あいつの逃げ足の速さだけは、褒めてやる。
ふと……
――こうやっていつも、逃げてきたんだろ。
そんな気がした。