オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
探したんじゃないよ?
もともと、投げ捨ててなんかない。
投げ捨てた“フリ”をしただけ。
こっちだって、昼間はだまされたんだもん。
これで、おあいこだ、チャラにしてあげる!
こんな簡単なブラフに引っかかるなんて、
藤堂さんってば、チョロ~イ。
私だって、なまじヤバイ目に合ってきてない。
これくらいの機転がきかなきゃ、とっくの昔にヤられてる。
呆気にとられてるユリさんを前に、私は自分自身の姿勢を正し、気合を入れた。
「あのね、ユリさん。私、家に帰ろうと思うんだ」
もともと籐堂さんが来なけりゃ、ユリさんが夏休みの補講に行ってる間に出て行くつもりだった。
自分の中では、そう突然でもないんだけど、ユリさんにしてみれば、身勝手な言動に見えたと思う。
その表情に緩やかな怒りが滲む。
かといって責めるわけでもなく、ただ黙ったまま、ユリさんは私を見てた。
「だからコレ、ユリさんから籐堂さんに返しといて欲しいの」
「なんで……」
部屋の時計は、そろそろ23時を指そうとしている。
オトコに二言は無さそうな、さすがの藤堂さんも、約束どおり私のコトを送ってやろうとは思わなかったらしい。
まあ、昼間あれだけのコトしたんだから、仕方がないか……
私とバトったあと、無言で姿を消しちゃった藤堂さんが、いったいどこ行ったのか見当もつかないんだけど、
「そろそろ藤堂さん、ここに戻ってきてると思うんだよね」
「…花美」
「だって、大事なハーレー、一晩置きっぱなしには出来ないでしょ?」
そう言って、私は笑う。
アパートの駐輪場なんて、盗んでくれって言ってるようなもんだし?
そうじゃなくても、いたずらされてミラー折られたり?
絶対に心配で見にくるハズ。
もしかしたら、家からスペアキーを持ってきて、ハーレーを動かすつもりかもしれない。
動かせないなら、きっとハーレーの側で寝ずの番するはず。
まあ、いずれにしても、絶対ここには戻ってくる。
我ながら卑怯な手だとは思うけど、こうでもしないと、
『二度と来んなっつったのはあいつのほうだ!』
なんて、わめき散らしてた藤堂さんが、素直にユリさんと会うとは思えなかったんだよね。
もともと、投げ捨ててなんかない。
投げ捨てた“フリ”をしただけ。
こっちだって、昼間はだまされたんだもん。
これで、おあいこだ、チャラにしてあげる!
こんな簡単なブラフに引っかかるなんて、
藤堂さんってば、チョロ~イ。
私だって、なまじヤバイ目に合ってきてない。
これくらいの機転がきかなきゃ、とっくの昔にヤられてる。
呆気にとられてるユリさんを前に、私は自分自身の姿勢を正し、気合を入れた。
「あのね、ユリさん。私、家に帰ろうと思うんだ」
もともと籐堂さんが来なけりゃ、ユリさんが夏休みの補講に行ってる間に出て行くつもりだった。
自分の中では、そう突然でもないんだけど、ユリさんにしてみれば、身勝手な言動に見えたと思う。
その表情に緩やかな怒りが滲む。
かといって責めるわけでもなく、ただ黙ったまま、ユリさんは私を見てた。
「だからコレ、ユリさんから籐堂さんに返しといて欲しいの」
「なんで……」
部屋の時計は、そろそろ23時を指そうとしている。
オトコに二言は無さそうな、さすがの藤堂さんも、約束どおり私のコトを送ってやろうとは思わなかったらしい。
まあ、昼間あれだけのコトしたんだから、仕方がないか……
私とバトったあと、無言で姿を消しちゃった藤堂さんが、いったいどこ行ったのか見当もつかないんだけど、
「そろそろ藤堂さん、ここに戻ってきてると思うんだよね」
「…花美」
「だって、大事なハーレー、一晩置きっぱなしには出来ないでしょ?」
そう言って、私は笑う。
アパートの駐輪場なんて、盗んでくれって言ってるようなもんだし?
そうじゃなくても、いたずらされてミラー折られたり?
絶対に心配で見にくるハズ。
もしかしたら、家からスペアキーを持ってきて、ハーレーを動かすつもりかもしれない。
動かせないなら、きっとハーレーの側で寝ずの番するはず。
まあ、いずれにしても、絶対ここには戻ってくる。
我ながら卑怯な手だとは思うけど、こうでもしないと、
『二度と来んなっつったのはあいつのほうだ!』
なんて、わめき散らしてた藤堂さんが、素直にユリさんと会うとは思えなかったんだよね。