オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
外は思いのほか暗くて、朝どころかまだ夜が終わったばかり。
ぼんやり歩いていくうちに、藍色の空に浮かんでいた数個の星も消えてはじめて、
いつのまにか見覚えのある交差点に出た。
こんな時間なのに、数台の車が信号待ちしてる。
その、奥。
私が立つ交差点の反対側にみえた、その陽だまりに、自然と目が引き寄せられ、
離せず、
足が止まった。
「……佐々……くん……?」
ふと口をついた名前に、涙が出そうになった。
切なくて、
そのくせ、
うれしくて、
声にしただけで、心に羽が生えたみたいに軽くなる。
「…花美……?」
遠くて聞こえなかったけど、口元が、そう呼んだ気がした。
遠くて聞こえるはずないのに、耳の奥で、佐々くんの声が聞こえる。
幻なんかじゃないと、
そこに在る姿に、
いま、再確認する。
――私……この人が好きだ……
「花美っ」
――好きだよ…佐々くん……
きっと、これが本当の恋……
そして……
叶わない恋。
ぼんやり歩いていくうちに、藍色の空に浮かんでいた数個の星も消えてはじめて、
いつのまにか見覚えのある交差点に出た。
こんな時間なのに、数台の車が信号待ちしてる。
その、奥。
私が立つ交差点の反対側にみえた、その陽だまりに、自然と目が引き寄せられ、
離せず、
足が止まった。
「……佐々……くん……?」
ふと口をついた名前に、涙が出そうになった。
切なくて、
そのくせ、
うれしくて、
声にしただけで、心に羽が生えたみたいに軽くなる。
「…花美……?」
遠くて聞こえなかったけど、口元が、そう呼んだ気がした。
遠くて聞こえるはずないのに、耳の奥で、佐々くんの声が聞こえる。
幻なんかじゃないと、
そこに在る姿に、
いま、再確認する。
――私……この人が好きだ……
「花美っ」
――好きだよ…佐々くん……
きっと、これが本当の恋……
そして……
叶わない恋。