オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)


「えぇぇ?じゃねえよっ!」


私の不満満載の叫び声と同時だった。

低い唸るような声が、一瞬にしてその場を凍らした。


「……」


次第に、暗闇に目が慣れてきた。

佐々くんってば、今はもうベッドの上にあぐらをかいちゃって、つまんなそうに頬づえついてる。


ほら…やっぱり…


「…怒ってんじゃん…」

「怒ってねぇよっ」

「…だって…」

「しつこい!怒ってねぇって言ってんだろ~よっ……!」


睨み返された。

怖いんですけど……

でも、


「…でも、だって、…佐々くんが…」


「ああっ!?オレがなんだよ」


「…佐々くんが、いいなぁ……」


「!!」

「!?」



その場どころか、私たち2人とも凍ってしまった。

見詰め合ったまま、動けない。



――あ、あれ?


自分で自分の言葉にビックリする。


――いま、私…なに言った??


ドクンッ……ドクン…


心臓が、早くなる。


「あ…いや…違…くて」


ドクン…


「違わないん、だけど…でも、あ…あれ?」


――どうしよう……


佐々くんの目、完全に据わってる。

眉間の皺も、すごいことになっちゃってて、

さっきまでのキスの余韻なんか、全部、全部すっとんじゃった。

佐々くんは、黙ったまま動かない。

私も、動けない。


でもさ、私、最初から言ってるよね?

佐々君とエッチしたいって

だからこんなトコで2人っきり、ベッドの上にいるんでしょ?

いまさら、だよね?

なのに…


ドクンッ…


なんでぇ?


ドクン…ドクン…


心臓がうるさい。

ギュウゥ…

目を、閉じる。

交差点で誘ったときとは全然違う。


コレの感情は、なに…?


私の中で、なにが、おきてるの…?
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