オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「はあ…、はぁ…は、…はぁ…」
交差点を渡りきったところで、私は予定通り立ち止まる。
どうしよう……
緊張してきた!!
制服が汗ばむ。
だって、すぐ目の前に、“彼”と彼女がいる。
2人は私に背を向けて、キスの真っ最中。
でも、彼女のほうが私に気付くと、その気配を感じたのか、
すぐに、“彼”が私のほうを振り返った。
ドクン……
――あ……
瞬間、音が消えた。
時間がスローモーションで流れる。
少し長めの薄茶色の髪。
そこから覗く、切れ長の鋭い瞳。
…が、私のことを、探るように見てる。
一瞬、自分が何をしに来たのかを、忘れて見とれてしまった。
だって、とってもキレイ。
その、キスに濡れた薄い唇が…、開いた。
「……なんか、用?」
ゾク……!
低めの響く声が、私の芯を揺らす。
ゴクンっ。
無意識に生唾を飲み込む。
「あ、ぁああの!…あのデスね!」
私は勇気を振り絞る。