オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

“彼”は目を丸くして、ぽかんと私を見てる。


え~と……

――あれ?


さっきまで、キスに酔ってた彼女も、“彼”の首に両手を巻きつけたまま、

呆気にとられて微動だにしない。


なんだか、急に……


かぁあああああっ!!


恥ずかしくなってきた!

当たり前だ!


「ぁ、あわああ、あの…ごめ…なさ…、きゃあっ!!」


思わず後ずさった瞬間、足がもつれて、後ろ向きにひっくりかえってしまった。

もたもたと、うろたえていると、ふいに私の頭上に影が落ちる。


「いいよ」

「……へ?」


そう言って、“彼”が私を見下ろすようにして立っている。

身長180㎝くらいあるのかな?

道路にしゃがみこんでる私は、かなり見下される格好になる。


「……ほ、ホントに…?」

「いいよ。エッチすりゃいいんだろ?」


グイッ…!!


いきなり腕を掴まれると、立ち上がらせて、有無を言わさず歩き出した。


「ちょっと!佐々(ささ)!どういうつもりよっ!」


後ろで、彼女が叫んでる。

なのに、この人ってば振り返りもしない。


「佐々ってば!!」

「うるせぇな…、もう、お前に用ねぇから、帰れ」


――ヒドい…


それに、なんだか機嫌、悪くないデスか?

どおしよ……


「ご…、ごめんね?」

「はぁ?なに、謝ってんの?」

「だって、彼女とケンカ…、わたしが変なことお願いしたからデショ?」

「変なコトって自覚はあるわけだ?」


歩くスピードも緩めずに、冷たく言い放つ。


「別に、あんなオンナ彼女じゃねぇし、どおでもいいよ。そんなこと」

「……」


正真正銘のクズ発言に、さらにショックを受ける。

世の中、知らないコトばっかりだ。



どさっ!!



「????」



背中に、ふんわりと柔らかい感触。


――あれ?


気がつけば……

もう、どっかのホテルの一室にいた。

私はベッドの真ん中で、仰向けになって転がってる。


――え…?ちょ…、早っ…!!
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