オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「花美は?」

「…?」

「花美は?…聞いてんだよ」


ようやく、佐々くんが私を見る。


「…え?わ、私?…えと、霧里花美です。16歳です」

「それしか、言うことねぇのかよ」

「え…と、聖心女子高校1年です」

「知ってる。まあ、女子高ってのは正しい選択だな。で…?」

「…で?って、なに?」

「他にあんだろ?」

「他…って?」

「他は、他だろっ!その……しゅ……、趣味…とか…?」


――趣味…?


なんで、私の趣味が関係あるの?

何のことかわからなくて、佐々くんの顔をじっと見ながら次の言葉を待つ。

でも、佐々くんってば、あっという間に、眉間にものすごいしわ寄せて、


「なんだコレ!!見合いかよ!!」


大声で叫んだかと思ったら、

ガクンッ……!

うなだれちゃった。

そして、下を向いたまま、もう一度叫んだ。


「趣味っ!」

「え、えっと…えと…」


もしかして、私のコト聞いてるのかな?

佐々くんが、なんでそんなコト知りたいのか、理由はわからないけど、きちんと答えようと思った。

だって、私も佐々くんのこと、知りたい。

私のコトお話したら、佐々くんのコト少しくらいは聞いてもいい?


「…ぬ、ぬいぐるみ…集めるの…とか…かな…」

「ぬいぐるみ?」


佐々くんが、あっけにとられた顔で私を見る。

あ、あれ?変だったかなぁ…、本当のコトいっただけだったんだけどな…

失敗しちゃった…

かぁああああ~っ

顔が赤くなる。
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