オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
ドンッ!!

「うわっ!」


いきおいい余って、佐々くんに体当たり。


「佐々くんっ…!」


ぎゅっ…っと、

佐々くんの腕にしがみつく。


「なに走って来てんの?オレ、迎え行くって…」


佐々くんの体温が伝わってくる。

不思議…

こうしてると、怖い事が何もないような気がしてくる。

ふわふわしてて、まるで、夢の中にいるみたい。

でも…

この突き刺さる、オンナの子達の視線に、私は徐々に現実に引き戻される。


「佐々くん、行こ?ここにいちゃダメ」

「……花美?」

「佐々くんのこと、みんなに見られちゃう」


佐々くんの腕を引っ張ると、駅に向かう。

改札を抜けて、そのまま目の前に停まっていた電車に飛び乗った。

直後にドアが閉まる。

車内は、下校時刻なのにビックリするほどすいてて、うちの学校の生徒なんか一人もいない。


あれ?


「…ねえ、佐々くん、今日どこ行くの?」

「いや、それ、オレのほうが聞きたいんだけど」

「……?」


車両のドアの向こうに見える景気がいつもと違う。

この電車ってば、どこに向かってるの?
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