オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

ガタン…、ゴトン…


電車のレールのつなぎ目の音が響くたびに、どんどん冷静になっていく。

さっき、私なにした?

人前で佐々くんに抱き着いちゃったよ!?

腕引っ張って、一緒に歩いちゃったよ!?

見られちゃうとかの話じゃないじゃん!何やってんの私!

――どうしよう…、明日、学校行けない…

途方に暮れるケド、

同時に、あの何ともいえない暖かさも思い出す。

だって、佐々くんを見たら、なんだか舞い上がっちゃって…

ワケわかんなくなっちゃったんだもん。


「……ご、ごめ」

「なんで、謝んの?…このまま、どっか、行こっか?」


佐々くんは優しく言うけど……

変な電車には乗っちゃうし、しかもこれ、普通電車じゃないから、なかなか止まんないし、引き返せないし……

どっかって、いわれてもわかんない…

そもそも、ここどこ!?

それに、よく考えたら私ってばデートってものをまともにしたことが、あんまりない。

中学校の頃、水族館と映画を観に行ったことくらいかな?

最近は、すぐホテルに連れて行かれそうになったりする。

デートって、そもそもなにすんの!?


< 77 / 229 >

この作品をシェア

pagetop