オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

キレイなオンナだと、思ったんだっけ……

姿・形だけじゃぁなくて、仕草とか雰囲気とか、

派手なナリのわりに、どこかスレてなくて……

中身まで、全部キレイなんだろうなって、あたり前のようにそう思った。


なのに、「私とエッチしませんか?」だもんな。


花美にイラついた理由も、今ならわかる。

なんだ、やっぱ、そうなのかよ…って、

その辺の、他のオンナと同じなのかと思ったら、ムカついた。

ああ、ちょっと違うか。

そうだな、なんか…さ、ショックだったというか…

まあ、いろいろあった結果、違ったんだけど。

なんか、思い返してみると、ホント勝手だな…、オレ。

花美のオトコでも、なんでもないのに。

そうなんだよなぁ…

現状、花美が誰と何しようと、オレにどうこう言う権利はねぇんだよな…


「クソッ!」


らしくない悲観的な考えを振り切るように、立ち上がると、見るからにガラの悪そうな男が2人、花美に話しかけているのが見えた。

ザワ…

感情が逆立つ。

その下心を隠しもせず、ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべて、花美を舐めるように見る。


「見てんじゃねぇよ……」


オレがそばに行こうとしたところで、花美は勢いよく立ち上がる。

一歩、男たちに踏み込んで、バカにしたように一度にらむと、その場から離れるために体の向きを変える。

腰まである、くるんと巻かれた茶色の髪。

それが、背中に生えた羽のように、黄金色に輝きながら広がった。

やけにいい姿勢は、実際の身長より花美を大きく見せる。

揺れる短めのスカートから、一歩、一歩、颯爽と繰り出される足。

その姿に、呆然と置き去りにされた男たちの視線が固定されている。

花美は一度も振り返らない。


――女王様だな…


花美の露骨にうんざりって感じの、不機嫌な顔に、ふと口元が緩んだ。

確かに、あの程度の男なら、恐れ多くてこれ以上しつこくできねぇわ。

あいつらにだって、一応プライドはあるからな。

案の定、ブスだのなんだの捨てゼリフを吐きながら去っていく。

ブスって、花美に当てはまらなさすぎて、中傷にもなってねえけど。

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