オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「霧里、遅れるんじゃないわよ?今日、6時半に駅前集合だから」

「…?な…、なぁに?」


ワケがわかんない。

そう思ったのは私だけじゃないみたいで、私に馬乗りになっている先輩や周りの人達も、

なんだかザワザワし始めた。


「合コンよ、合コン。いいわね?」

「「「ぇ…えええっ~~~~~っ!!」」」


これは、私だけじゃないよ?

この場にいる、剣ちゃん以外の人間、み~んなの大ブーイング!


「なんでぇっ?私そんなの行きたくないよぉ!」

「そおよ!何でこんなオンナ連れてかなきゃいけないのよ!!」


でも、剣ちゃんは、そんなことまるでお構いなし。


「スマホかえしてほしかったら、来るのよ?」


そう言うと、さっさと体育館に向かって歩きはじめる。

剣ちゃんの後を追って、バタバタと去っていく先輩を、呆然と見送った。

嵐の終焉を告げるように、チャイムが鳴る。


キーン・コォーン……


「終業式、始まっちゃう。行かなくちゃ」


立ち上がって、ふと気づいた。

佐々くんに、返事してない!
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