オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
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<side 花美>


「だから、ひと待ってるんで、行きません」


力いっぱい、しかめっ面。

下むいたまま、できるだけ感じ悪く言い放つ。

だって、何度言っても、わかんないヤツはわかんない。

あ~あ、失敗したなぁ。

さすが星陵だけあって、あからさまにガラの悪いのっていないから、声かけられた時、人を待ってるって真面目に返事しちゃった。

それがいけなかった。


“金持ちの、ちょっと調子に乗った悪ガキ”


こういう、陰湿なタイプが一番タチが悪い。

殴り合ったりできないくせに、自分より弱いとみたら、どんどんエスカレートする。

取りあえず、もう無視だ。無視!!


「俺らと遊びに行ったほうが、絶対楽しいって~」

それは無いわ。


「ねぇ、すっげぇカッワイイって言われない?」

あんた達みたいな空気も読めないバカが、好きそうな容姿ってコトでしょ?

正直、自分自身うんざりしてるんだってばっ!!


「……(無視!)」

“どっか行ってくんないかなぁ~。あんた達ジャマ”

って、オーラを出しても、まるでダメ。


「ねぇねぇ~、俺らと遊ぼうよ~?」

「だから!ひと待ってるから、行かないってばっ!!」


あ…しまった。

つい、正面きってにらんじゃった。


「怒った顔も、カァワイイ~ッ!」

「はあぁぁぁ~~?」


呆れる。ダメだ、こりゃ……

顔を上げたついでにあたりを見回してみると、他の生徒達が遠巻きに見て通り過ぎていく。

みんな、心配そうにしてるけど、止めに入ることは出来なさそ。

まいったなぁ~

学校まで来れば、佐々くんに会えると思ってたけど、よく考えたら、あの不真面目そうな佐々くんが、今日来てるかどうかなんて、わかんないじゃん。


――大失敗……


「はああぁぁぁあ~……」


何度目かの、深いため息をつきながら、またうつむいた。

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