イン aa ドリーム【】
私を殺したあいつは、バスの中が混んでるのにも関わらず、人の間を縫うように進み丁度私の後ろで止まった。


私は急いで、ゴム板を肩から外した鞄の中に落とすと、そのまま鞄でお尻をガードする。




これが、爆弾を止める要だ。

これで、痴漢をされることはない。

つまり、こいつが屋上に来ることはない。

つまり、つまり、爆弾が再起動することはない。

つまり、つまり、つまり、校舎に残っている人達が死ぬことはないし、逆恨みで私が殺されることもない。

万々歳じゃん!




でも…




これで…




振り向けば後ろにいるあの人とも、出会うことはなくなった。



出会わない事が、あの人の命も救うことになるのだ。





私は、校舎に残っている人達を助けるため、私を助けるため、そして…


あの人を助けるために、あの人に会わない未来を、私は選んだ。



それは、正しいことだ。



それが、正しいことだと分かっている…





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