死線ーシセンー(スローペースで更新)
「うっ……な……にいって……」
苦しい……息が出来ない……。

「ねえ、苦しい?でもね、奈美はこれよりももっと苦しかったのよ。ふふふ……。そうそう。あなたがもっと苦しむような〃いいこと〃教えてあげる。よく聞いて?」

コイツは私の耳に、その〃いいこと〃を囁いてきた。


それを聞いた瞬間、私は身体から血の気が引いてくのを感じた。


だって……‼


『あなたがカンニングしたこと、姫野さんに教えといたわ。その時の彼女、信じられないとでもいうような顔だった。もう彼女はあなたのことを軽蔑したでしょうね』


そこまで言って、ようやく首から手を離した。
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