年上彼氏の甘い罠

「栞、ほら、食べるよ!」

「はいはい。これ千夏の分。」

そう
毎日、千夏の分までお弁当作ってるんです

「栞ちゃん、ここ座って」

は?
なぜに五十嵐さんの隣

「五十嵐さんの隣には座りません」

「なんで!栞、座っちゃいなよ。」

千夏さん、お弁当ぐらい平和に食べさせて

「そうだよ。会議の時も隣避けただろ。」

もーめんどくさい

「わかりました。」

はー
やっとご飯にありつける

「「「いただきます」」」

そろって言う必要性ないよな

「わー!今日も美味しそー。栞に料理させたら天才的だよね」

「はいはい、ありがとう。けど、今日大したものじゃないよ」

天才的はおおげさ

「なに?いつも栞ちゃんの手作り?俺にも作ってよ」

めんどくさい
食材費むだにかかるじゃん

「1食500円ですよ!五十嵐さん」

よけーなことを
まー千夏が勝手に決めて毎月律儀にくれるから助かるんだけど

「約束の1回以外作らないですよ。男の人の量、全然わかんないですから。」

「いいじゃん!2つも3つも変わんないでしょ!高校の時も3つ作ってたんだし」

そう
高校の時も千夏の分と自分の分、そしてなっちゃんの文を作ってた
毎日リクエストもされつつ大変だったけど大学入ってひとつになった時分量がわかんなくて作りすぎてたんだっけ

「栞ちゃん、だめ?」

そんな言われたって

「って、五十嵐さん、お昼菓子パンだけですか?」

「そーだよ!たいてい外食かコンビニですませるかな。ひとり暮らしだし料理出来ないし」

わっ、体にわるそー




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