年上彼氏の甘い罠
「栞ちゃん、こっち」
うわっ、結構目立っちゃうんですけど
なんでかなー
「五十嵐さん、目立つことしないでください。あと、今日千夏がうち泊まる約束なので一緒に帰れません。」
言い逃げするのが悪い
これで引き下がってくれないかな・・・
「そしたら佐々木さんも一緒にどうぞ」
やっぱそうなるのか
まー、車の方が早いし送って貰うか
本当は歩いて帰れる距離なんだけど
「ありがとうございます!栞のついでなのに」
五十嵐さんが強引なのが悪い!
お弁当の件もだし
「栞ちゃん、家どこ?」
後部座席の扉を開けてくれながら聞かれる
そこなんだけどなー
「ここから歩いて15分ぐらいの所です」
今朝は猛ダッシュしたけど
「近すぎ!せっかく送ってけば口説くチャンス増えると思ったのに!」
いやいや
口説かないでください
「五十嵐さん、栞送っていく時今度から歩きにしたらいいですよ!」
また余計なことを
「そうする。そんなに近いとは思ってなかった。昨日の喫茶店そしたら遠いんじゃ?」
あー
あそこは雅也の家から近いだけで
でも珈琲とかケーキとか美味しいんだよ
「あそこはケーキ美味しいんでちょっと遠いけど、雅也の家からは近いし気にはならなかったんですけどね」
「そんな所で別れ話したの?まー、外でした方がお互い冷静に話はできるけどさ。雅也くん栞にベタ惚れだったのになー。」
外でしないと家じゃ感情的になりすぎそうだし
ってもう着くわ