君がいない世界で、僕はどう笑えばいいんだろう
「玲くん、寝るの好きね。」
アカネは今日もそこにいた。
「誰のせいだよ。」
「ん?私のせい?まさか、あなたは今しっかり寝てる。充分すぎるくらいにね。」
徹夜気分なのは、俺の気のせいってことか、、、?
「夢と現実の区別がつかなくなると、疲労回復されないみたいだね。」
アカネは相変わらず楽しそうに、制服のスカートをふわりと揺らす。
「せっかくだから、玲くんの話を聞いてあげる。なんか悩み事、ない?」
なんでお前に、、、とも思う。
けど、話したい、、、とも思う。
中坊に恋愛相談かよ。
そうだ、まだ今日は美月に会っていない。
「俺、現実に戻るわ。美月に会いたい。」
「おーー、恥ずかしいことサラッと言うね!」
「所詮俺の夢の中。誰も聞いちゃいねーよ。」
「私がいるのに。」
アカネがムスッと頬を膨らませる。
「お前、本当にずっと俺の夢の中にいんの?」
「うん。私には目的がある。それを達成するまで出て行かない。」
「………?そう、じゃあまた夜にな。」
深くは突っ込まなかった。興味が、なかったからだ。
てか、どうやって起きりゃいいんだ?
俺の意思一つで寝るも起きるも自由なのか?
少し考えて目を瞑る。明るく白い世界を、次第に闇が包んでいく。
目を開けると、そこは現実だった。
チャイムがなる。
1限終了のチャイムだ。