君がいない世界で、僕はどう笑えばいいんだろう
顔じゃなくて
「あ、玲。やっと来た。」
「おはよう、美月。」
教室に入ると、いつも通り友達に囲まれた美月がいた。
俺を見つけてキッと睨む。
「ダメでしょ、授業サボっちゃ。」
「ゴメンなさい。」
好きだ。
笑う美月の目元にくまができている。
「くまできてる。ちゃんと寝た?」
「あ、、、昨日ちょっと夜更かししちゃって。」
「そっか、ちゃんと寝るんだぞ。」
「うん。」
美月の陰の部分が見えた気がした。
いつも通り、別々にお昼を食べる。
メロンパンをかじりながら、美月を見つめる。
「食欲ねーのかな、美月。」
美月の箸があまり進んでいない。
「また内藤さんかよ!ストーカーかお前は。」
「ストーカーじゃねぇ!彼氏だよ!」
「いーなぁ。学年1の美人と付き合えるなんてよー。」
「別に俺、美月の見た目を好きになったわけじゃねぇし。」
そうだ、違う。顔だけで寄ってくる他の男とは。