君がいない世界で、僕はどう笑えばいいんだろう
「アカネはこっちのイメージだな。」
同じデザインのピンクのバレッタ。
アカネがそれを手に取る。
「………。似合う!?」
「あぁ、似合う似合う。」
あまりにはしゃぐ姿が可愛かった。
妹がいたらこんな感じなのかな。
その時ふと思った。美月にも妹がいる。
会ったことはないけれど、きっと仲良しな妹が。
「うん。これにしよう。」
ブルーとピンクのバレッタを見ながら、美月と妹がお揃いで付けているところを想像した。
「ピンクも買うの?」
「おぅ、美月の妹に。」
「!!優しいねぇ、玲くん。」
「せっかくだし、もうちょっと見て回るか。お前いつも制服だし、服とか見る?」
みつきがよく買い物する店を思い浮かべた。
あそこなら、少しくらい商品を覚えている。
「いーの!?わーい!デートだ♪」
「デートじゃないから。」
「いーじゃんケチ。」
「なんか妹ができたみたいで楽しいな。」
「…うん。玲くんは私のお兄ちゃん!あ、この服かわいー!!」
はしゃぐアカネを見て、俺も嬉しくなった。
まるで本当の兄妹のように、俺たちは夢を楽しんだ。