君がいない世界で、僕はどう笑えばいいんだろう
美月が入って行った建物を眺めて、俺はその場に立ちすくんだ。
海堂大学付属病院、俺らの地元で1番でかい総合病院だ。
「なんで、、、病院、、、?」
わからない、、、美月が、病気?
思い当たる節があって怖い。
この間倒れたのが極め付けだった。
美月が隠しているのは、何らかの病気。
もしかしたら、言い出せないくらい重い病気なのかもしれない。
死に、、、関わることかもしれない。
大きな病院を背にして、俺はフラフラと歩き出した。
「後をつけるなんてサイテー。」
アカネは容赦なく俺を責め立てる。
俺は沈んでいた。自分が恥ずかしい。
「そう簡単に言えることじゃねーよな。命に関わる事だ。」
「でもさー、もうこうなったら聞いちゃえば?美月ちゃんの秘密。」
「聞けねーよ!こういうもんは無理やり聞くもんじゃねーんだよ!」
「あっそ。ていうかさー、映画面白かった?」
表情も声色もコロッと変わって、アカネが聞いてきた。