君がいない世界で、僕はどう笑えばいいんだろう
アカネ
「私アカネ!よろしくね!」
少女が自分を指して微笑む。
色々おかしなことがなくもない気がするけど。いいや、夢だし。
「アカネ、、、よろしく。」
ふと、自分がスマートフォンを持っていることに気づいた。
寝巻きにしているジャージのポッケに入っている。
「なに、夢の中でもスマホいじれんの。」
「LINEとかはできないけどねー!写真見して!!」
アカネがパッと後ろに回って画面を覗き込むので、フォルダを開けてスライドさせていく。
「美月ちゃんとの写真、少なくない?」
「あんまデートとか行かないから。」
美月と遠出したことはない。いつも最寄駅にあるららぽーとでいいと言う。
たしかにショッピングモールはなんでもあるし、ららぽは映画館も入ってるし、暇はしないんだが。
「でも楽しそう♪」
「可愛いだろ、美月。」
この際、なぜアカネが俺と美月の名前を知ってるのか、関係を知ってるのかはどうでもいい。
普段、嫌みたらしいと言われてなかなかできないノロケ話をしたい。
「うん、可愛い!モテるでしょー!」