異世界で学校の王子様が奴隷になっていました



説明が終わり私が頷くと男は首輪を取り出し私に手渡した。

鉄のような材質のものにいくらか宝石がついているようだ。


先程から跪いている優斗の首にそれをつける。カチッと音がして装着できたが少し緩い。

優斗の体が強ばるのがわかった。


男はそれを確認すると本を取り出し開くと私では聞き取ることの出来ない言葉を発し始めた。

沈黙の続く部屋の中に男の声だけが響いている。

どうやら古代語と呼ばれる言語のようだ。


すると首輪が淡く光り始めそしてその光が光の球になり私の方へ向かってくる。

それを避けずに受け入れると体の中に何か暖かいものが入ってくる不思議な感じがした。


ふぅ、、


思わず息を吐くと


「それでは首輪に血を垂らしてください」


と針のようなものを渡された。これで血を出せということか。


人差し指を突き、血がぷっくりともり上がっているのを確認してから首輪へと垂らした。



痛い、やっぱり出た血が少しとはいえ痛みはそれなりにあるもんだな。

特に指先なんかは神経が集まっているからなおさら痛い。



なんてことを考えていると優斗が顔を歪めていた。

なんでも私の血液を優斗の体が受け入れるのに抵抗がおこり多少の痛みを感じるらしい。



「以上で契約は完了しました」

男の宣言に優斗を見ると先程緩かった首輪がちょうどいいキツさになっていた。

(おぉ、いつのまに)



さらに先程まであったつなぎ目まで消えている。

なるほど、これなら力ずくではも外せないだろう。



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