異世界で学校の王子様が奴隷になっていました
さて。どうやって私のことを話そうか。
彼の驚く姿を想像すると笑がこぼれる。
この感じは、、そう、前世で友達にドッキリをしかけた時のような。
しかしそもそも彼は前世の私のことを覚えているのだろうか。
思考の渦に飲まれていると
(決して妄想ではない)
彼が不安そうな顔でこちらを伺っていた。
はっ
いけないいけない。どうやら無意識にニヤついていたらしい。
表情を引き締めると彼に向き直った。
「優斗」
「っ!」
名前を呼ぶと彼が目を見開いてこちらを見ている。あぁおもしろい。
「な、なぜ、その名前を、、?」
どうやら彼はこちらの世界で優斗という名前を使っていないらしい。
「明野ヶ丘 (優斗と私が通っていた高校) 」
「っ!?」
「サッカー部 (優斗の属していた部活) 」
「なっ、なぜ?!」
「3年2組○○番」
「……」