異世界で学校の王子様が奴隷になっていました


黒服の後について店内に入るとかなり立派な内装なのがわかった。


「本日はどのような目的でのご来店でしょうか」


通路を進み個室に入るなり黒服がたずねてくると


「専属奴隷の購入でございます」


と私のお供の中の年長者――爺が私の代わりに返答した。


「左様でございますか。当店では男女どちらも高い品質のものをご用意しておりますが如何なさいましょう?」


この問いかけに私は少し悩んだあと男でと答えた。

これから常に私のそばにいるのだし警護もできる方がいいと考えたのだ。

女では何かと頼りない。


「かしこまりました。それではご案内致します。」


そう言って黒服が席を立ったので私も立ち上がり後を追った。


ガチャッ

黒服が頑丈そうでそれでいて豪華な扉を鍵を使って開けると鉄格子がズラっと並んでいるのが見えた。


「奴隷は牢に入れているの?」


「えぇ、万が一にもお客様方に危害を加えないように入れております」


さらに奴隷達は目隠しと手を後ろ手に拘束されていたのでたずねた。


「目隠しはお客様から奴隷の視線が気になるというご意見を頂いたので。もちろん拘束などは奴隷が傷つかないように厳重な注意を払っております。」


なるほどなと思いつつ牢の中を見ていくとやはり国1番の奴隷商だけあってどの奴隷も美形なのが目隠しの上からでもわかる。

奥まで続く牢を順番に見ていくがあまり気に入るものは無い。

やはり専属奴隷は簡単に決められないなと思う。

何人か目隠しを外してもらい多少の会話はしたものの気に入るものはいなかった。

< 3 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop