異世界で学校の王子様が奴隷になっていました
部屋につくとそこには家族や主な屋敷の使用人が揃っていた。
私に用意された椅子に座ると優斗がいないだろうかとキョロキョロ部屋を見渡した。
しかし普段はにこやかなお母様が苦笑いしているのが見え、はっと我に返っ
たがもう遅いかもしれない。
ガチャッ
沈黙の中で響いた音に喉を鳴らした。いよいよだ。
私が入ってきた所とは別のドアからそれらしき人が入ってきた。
神官のような格好をした男が2人。――そして優斗。
その後ろにも男が1人ついて優斗に繋がれた手枷、足枷の鎖を握っている。
目隠しをされているその顔を穴が飽きそうなほど見つめた。
(うん、あれは優斗だ。間違いない)
どうやら私の目に間違いはなかったようだ。
優斗をつれた男達は私達の視線を浴びながら部屋の中央へと歩いていった。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。早速ですが奴隷契約を始めさせていただきます。フィリナ様、どうぞこちらへ」
先頭を歩いていた男に呼ばれ、私は前へと向かった。
男達の前に立つと何やら難しい説明が始まった。どうやら隷属魔法というものを使うらしい。それの説明のようだ。
なんとも分かりずらい内容だったが簡潔にまとめると
・隷属魔法は奴隷に首輪をつけそこに主人―つまりわたしだ―の血液を垂らすことで掛けられる
・1度掛けると解呪の魔法を使わない限り消えない
・隷属魔法を掛けた奴隷の首輪に魔力を込めると奴隷の体に激痛が流れる
・主人を害する、または逃亡するなどに該当する行為をすると奴隷の体に激痛が流れる
という内容だ。
ふっ
私は思わず笑みをこぼした。やはりこの国は奴隷に甘くないらしい。
もし奴隷が主人の命令に従わなかったら首輪に魔力を流され激痛がはしる。つまり奴隷は主人の命令を聞くしかないのだ。
魔力の操作に慣れていないものは首輪に触れずに流すのは至難の技らしい、があいにく公爵令嬢として多少の教育を受けている私は触らずとも魔力を流せるのだ。
しかし操作が上手のものも触った方が楽らしいが。