夜の帳
「いただきます、そいで

さぁ、その亜紀ちゃんが。

。。。」


相槌を打ちながら、亜紀


という女を思い出そうと


したが、無駄だと気がつき


すぐに止めた。


どうでもいいことだし、


聞けばこの女の思う壺だ。


話が長くなる上に


ややこしくなるだけだ。


「ちょっと、あんたぁ

聞いとんの?」


気のない相槌がお気に


召さなかったらしい。


虫の居所が悪いのも


あるだろうが、


ピッチが早すぎる。


気付かれない様に


欠伸を噛み殺し、


大袈裟にうなづいた。
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