運命じゃない恋





凛と躊躇いもなく闇夜に響いた声音。
告白に伴うには相応しくない言葉の選別。

音を弾いた唇は逆光だと言うのに艶を孕み、
どこか強気に弧を描く。

背中まで長い黒髪が時折ふわりと靡き、
その細い一本一本が背後の街灯の光を得て
白く光る。




そんな…印象だったと細くも記憶に刻まれている。




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