近くて遠い
2.プロローグ
るうが今日まで生きてきた世界は、少し暗くて狭い。
でも…あの人を見つけてから、世界が変わった。
中学1年生のある日、サッカーをしているあの人を見つけた。
その時、るうは不思議な気持ちになった。
胸の奥が苦しくって……でも、それが嫌だと思わなかった。
「……この感じ…なんだろう…」
るうは1人でそう呟いていた。
「優雅〜!集合だぞー!!いつまで自主練してんだぁー」
……あ、あの人…優雅って言うんだ…。
そっか…優雅くん、か…。