近くて遠い
誰がそんな噂、流すんだよ!
意味わかんねぇ。
ずっと自由がないまま学校生活を送っている。
「優雅ー、朝から黄色い歓声浴びてんねー」
「……それはお前もだろ!陽斗」
「なんで優雅なんかが学年一人気なんだよ!」
「樹良くん、それは言っちゃダメだよ」
賢人は眼鏡をかけていて、いつも単語帳を手に持っている。
なんで俺らと気が合うのかもよくわかんねぇ。
でも、こいつがいるから今、成り立っているように思える。