嘘つきお嬢様は、愛を希う

「大丈夫です、サリさん。色々話しちゃいましたけど、私は思い通りにはなりませんから」



味方も敵も全てを突っぱねてここへ来なければならなかった私の世界は、どのルートもハッピーエンドには繋がっていないのだ。


今さら、どうでもいい。



「聞いてくれてありがとうございます。なんかとってもスッキリしました。もう大丈夫です、私」


「……強がりは、強さじゃないよ？　桐乃ちゃん」


「わかってます。でもホントに、大丈夫ですから」



───守られるだけの女にはならない。


サリさんらしい、とてつもなく意思の強い言葉。


私も守られる気はない。


守られる義理もない。


本当はここにいてはいけない存在なのだから。


でも、だからこそ。


……あともう少しだけでいいから、ここにいたい。