嘘つきお嬢様は、愛を希う


『宿命を背負うやつは強くなる。

あいつやサリちゃんのようにな』



前代の柊真さんが俺に総長を託す際の言葉にも、それは色濃く表れていたように思う。



『だから、次はお前に任せることにしたんだよ。孤独と自由を望むお前にとってはキツい役目かもしれねえけどな。そう……それでもいつか雅にとってのサリのような存在が、お前にも出来るような気がするからさ』



まあ、その時は正直意味がわからなかった。


俺にとって確立された地位──というのは、あまり良い印象があるものではなく、尚更俺にとっての特別なやつが出来るなんて思えなかったから。


総長なんて面倒な役職はいらねえ、と当時の総長相手に本気で突っぱねたこともある。


……それでも今になってその言葉を思い出すくらいには、俺はあいつが来てから内心振り回されっぱなしで。


まったくもって、情けねえ。


こんなの俺らしくもないってのに。

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