嘘つきお嬢様は、愛を希う
「お日様の……陽だまりの中にいるみたいな。……うん、すごく温かい場所だなとは思うけど」
「……けど?」
ふっ、と口元に微笑が浮かぶ。
「──私には、合わないかもしれないね」
一瞬だけ、キッチンにいる理月の動きが止まったような気がしたけれど、すぐに「そうかよ」と素っ気ない言葉が返ってくる。
自分で聞いてきたくせに、と思いながらも、理月のよく分からないところは出逢った頃からだ。
今更か、と思い直し、私は構わず続ける。
「でも天馬にはふさわしい場所だなって思うよ。あの子にとってここは自分の家そのもので、理月たちは家族同然だもんね。一番求めてたものじゃないかな」
理月が私たちの事情を知っているのかは分からないけど。