嘘つきお嬢様は、愛を希う


「こっちの気も知らねえで勝手なこと言ってくれるなよ。我慢してんのがバカバカしくなるだろうが」


「が、我慢? 私の存在に?」


「ちげーよ。俺がに決まってんだろ」



よく分からない。


つまるところ、理月はなにが言いたいんだろう。



「どういう……っ!?」



──その瞬間、思いもよらないことが起きた。


あっと気づいた時には視界がぐるりと反転し、背中がソファに押し付けられる。



「……なっ、」



私の上に覆い被さるように理月の端正な顔が近づいて、薄暗い部屋の中……視界が埋まった。

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